「やすらぎ」38号発刊にあたり

慈光照護の下、門信徒の皆様におかれましてはご清祥にてお過ごしのこと大慶に存じ上げます。又、日頃より当寺護寺発展の為に並々ならぬご尽力を頂いておりますこと、重ねて御礼申し上げます。

寺報「やすらぎ」第38号を門信徒の皆様のお手元へお送りさせて頂きました。

さて、月日が経つのは本当に早いもので、新年を迎えたと思ったら、春が来て、もうお盆を迎えるという時節となりました。ここまで何が出来たのかと振り返ってみても、もったいなく、ただただ時間だけが過ぎ去ってしまったような気が致します。もっと毎日毎日を噛みしめながら歩んでみたいものです。

すでにご案内の通り一昨年より、7月の下旬からご門徒の皆様のお宅へお盆参詣させていただいております。今年も、叔父や法務員さんにお手伝いをいただき、8月11日まで全門信徒お盆参詣をさせていただきます。例年通り、12日には役員総会を開催し、お昼頃に役員総出で里塚の安楽寺六角堂へお詣りさせていただきます。13日から16日の午前中まで、納骨堂にお詣りされる皆様と共に先人をお偲びさせていただきます。16日の午後1時よりお盆の締めくくりとして「盂蘭盆会(うらぼんえ)」のお勤めを致します。たくさんの御参詣をお待ちしております。特に、大切な方を亡くされてから初めてのお盆をお迎えされるご遺族の皆様には、大切な御法縁となることと思います。是非とも御参詣いただきますようお願い申し上げます。

また、毎年8月20日には、厚別区の開拓功労者、戦没者の追悼法要を午後1時からお勤め致しております。以前までは厚別区のご協力をいただきながら、御隣山の真宗大谷派智徳寺様、真宗興正派大行寺様、そして当寺のまわり番でお勤めをさせて頂いていたのですが、遺族会も解散となり、数年前より当寺を会場として、智徳寺御住職様、大行寺御住職様にご出勤頂きお勤めさせて頂いております。今年は特に戦後70年という節目を迎える年ですが、世論と時代と逆行するかのような政治判断がなされようとしております。

法句経というお経の中に、「己が身にひきくらべて、殺してはならぬ。殺さしめてはならぬ。」という文言があります。「殺される気持ちになりなさい、殺される側にたちなさい。殺される恐怖や苦しみを感じ受け止めるならば、人を殺すことは出来ない、人を殺す側にはたつことはありえないでしょう。」という意味です。この地球上において国や政治が全てを正当化して「正義」の名の下に人が人を殺すことが出来るのでしょうか?自衛隊がより活動しやすくなる等のご意見もあるようですが、これから日本を支える若い人達を人殺しにしては私はいけないと個人的に考えています。何かずれているというか腑に落ちない精神状態ですね。

もっと多くの方々が感心を持って真剣に考えていかなければならないと思うことでございます。この国はあやまちを犯してきたんですから、その経験から生まれた感情、思いを世界に伝えていくことの方が、憲法を改正するよりも、もっと大切なことと考えます。8月20日、開拓功労者と戦没者の追悼法要をお勤め致しますが、このご法要は戦地へ赴いた当寺第2世住職横湯通之の発案から生まれた法要です。行政に声をかけこの厚別のために尽力された方々を追悼してきた法要です。今は大変こぢんまりとした法要となりましたが、厚別区以外の方で戦没者がおられるご家族様には、是非ともご参拝下さい。

お盆という時節、あらためて先人を偲びながら、ここまでの私の人生の歩みを振り返る、戴いたたった一つの「いのち」の有様を見つめさせて頂く。そんな尊いご縁を先人を偲びながら頂戴するのが浄土真宗のお盆の頂き方でありましょう。共々に、このお盆を通して、大切なことに気づかされ、ほとけさまの願いにふれさせて頂きましょう。

合 掌

この記事が掲載されている寺報やすらぎ