ほとけさまの歌  vol.4 「御堂演奏会」の曲紹介


佐藤卓見

この度のほとけさまの歌では、平成29年12月8日(金)本願寺札幌別院 (中央区北3条西19丁目2-1)にて開催される「御堂演奏会」の曲を紹介したいと思います。


1.ひかりあふれて(1991)
作詞 原 真弓
作曲 綱澤 僚
【ひかりあふれて】は西洋音楽と仏教音楽の源である東洋音楽との融合を願って作曲されたもので、その意味では、ポピュラー音楽をいつも耳にしている10代・20代の若い方でも違和感なく口ずさむことのできる讃歌です。
2.まるいこころ(1987)
作詞 大沢みゆき  作曲 森 正隆
【まるいこころ】は、京都女子大学女声合唱団によって発表され、同合唱団の演奏旅行や本願寺の御堂演奏会などを通じて、全国へ広まった仏教讃歌です。ほんのりとした雰囲気が、聴く人を温かく包みます。
3.のんのさま(1983)
作詞 東村 美穂  作曲 中村 八大
【のんのさま】を辞書で調べてみますと、「ののさま」は幼児語で、「僧が仏に経を上げるのが『のんのん』と聞こえるところから出た」と説明されています。幼い子どもらが、小さな両手を合わせてほとけさまにお礼をし、「ののさまありがとう」などとお参りしている光景に出会いますと、自然に心が和んできますね。
この曲には「地球の子どもの子守唄」というサブタイトルがついていますように、子どもを背中に背負い、あるいは両手に抱いてあやす子守唄です。「この子の○○まもりゃんせ」という言葉の繰り返しの中に、母親の深く温かな愛情が感じられます。この曲は、永六輔さんの出演するTBSラジオ番組「六輔七縛八倒」が1983年に作詞を公募してできました。東村美穂さんのこの作品が第2回子守唄大賞を受賞しています。
4.しんらんさま(1961)
作詞 滝田 常晴  作曲 古関 裕而
【しんらんさま】は親鸞聖人700回大遠忌を記念して発表された仏教讃歌です。ゆったりとした演歌調のメロディーで、親しみやすい作品となっています。レコードに吹き込んだのが、当時スター歌手として有名だった島倉千代子さんだったこともあり、多くの人々に愛唱されました。
詩は私たちの日常生活の場面をとらえ、南無阿弥陀仏とお念仏を称えれば、しんらんさまがどんな時でも私のすぐそばにいてくださる、と分かりやすく表現しています。また親鸞聖人の「御同朋・御同行」の精神が、詩の中に織り込まれています。
5.念仏(2003)
作詞 山本有希子  作曲 森 琢磨
【念仏】は、「お念仏がわき出てくるような曲」をテーマに制作され、仏さまが、「我が名を称えてくれよ」とおっしゃったその親心に対する私たちの応答です。「なもあみだぶつとなえれば」にはじまり、お念仏へと続く歌詞の構成は、作曲者の森琢磨さんの発案だそうです。

この記事が掲載されている寺報やすらぎ