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ふじおかゆうやのガバイはなし vol.03

 みなさんこんにちは。早いもので僕が北海道にきてから一年以上が過ぎました。時がたつのは早いですね。ついに僕も北海道の冬を経験し環境に慣れつつあります。少しは北海道人らくしなれたでしょうか?
 現在、新型コロナウイルス感染症により不安な日々をお過ごしのことと存じます。いままであたりまえのことだったことが一変し、普段とは違う生活で様々な弊害が生じており、我慢の日々が続いていることと思います。そんな今だからこそ今回の「がばい話」ではみなさんに少しでも明るいお話をお届けできたらと思っております。
さて僕が佐賀にいたころ、北海道の食べ物はなんでもおいしいとよくきいていましが、まさにその通りですね。海の幸、山の幸、はたまたスイーツなどおいしいものを挙げようとすれば枚挙にいとまがありません!…が、中でも僕が一番食べているのはラーメンです。ご存知の通り北海道には様々なラーメンがあります。この一年で色々なラーメン屋に足を運びました。どのラーメンもおいしくて甲乙つけがたく、次はどの店に行こうかといつも考えています。しかし一つだけ悩み事があります。それはどのラーメンを食べてもどこか物足りない、どのラーメンを食べても真に満たされること決してはない。その原因は煩悩…ではなく佐賀ではおなじみのあの味、あの匂い、それは豚骨ラーメンです。北海道ではあまり見かけることはありませんね。
今でも鮮明に覚えています。僕が子どもの時に佐賀にいたころ、コンビニにもスーパーにもカップラーメンと言えば豚骨ラーメンしかありませんでした。あるのはカップ〇―ドルか、ど〇兵衛ぐらいであり、豚骨ラーメン以外を探す方が大変でした。まさに豚骨にあらずはラーメンにあらず状態でした。そういった環境でしたから子供の時は豚骨ラーメンしか食べたことはなかったです。もちろん醤油、味噌など、ほかのラーメンの存在は知ってはいたのですが、とても食べる気にはなりませんでした。僕にとってはラーメンではないほかのなにかという認識だったのでしょう。そのくらい佐賀にとって豚骨ラーメンはあたりまえだったのです。しかし北海道にとって豚骨ラーメンはメジャーではないのです。
そんなわけで北海道で僕が一番好きのは…〇岡屋です。意外と思われるかもしれませんが、好きなものは好きなんです。その理由はあの味、あの匂い…そう豚骨です。もしかしたらあの匂いが無理と思われる方もいるでしょう。一度京都の友達を佐賀のラーメン店につれていったことがありました。その友達は店に入るなり顔をしかめて、小声で僕に「無理だ…」と言いその場を後にしてしまいました。僕には何が無理なのさっぱりわかりませんでしたが、よくよく聞くと、靴下の匂いだとか犬の匂いだとか散々に言われました。その時は失礼な奴だなと思いましたが、彼にとってはこの豚骨ラーメンの匂いは嗅いだことがない匂いだったのでしょう。僕にとってはあたりまえでも、彼にとっては初めてだったのです。ですから、北海道の人があの匂いを受け入れがたいのも頷けます。
豚骨ラーメンを食べているとやっぱり僕は九州の人間だなと感じます。佐賀にとって豚骨ラーメンはあたりまえ、北海道にとって、僕にとって豚骨ラーメンは有り難いのです。いつの日かコロナ禍が終息したらあたりまえではなく、有り難い豚骨ラーメンを一緒に食べにいきましょう!

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ふじおかゆうやのガバイはなし vol.02

 皆様こんにちは。佐賀県人の藤岡です。僕が安楽寺様に法務員としてお勤めさせて頂いてから、はや半年がすぎ、2019年も終わろうとしています。少しは成長できたでしょうか?少なくとも寒さに対する耐性は強くなったきがします。さて今回の「がばい」話は雪についてです。みなさん雪に対してどんな印象を受けますか?ちなみに僕は北海道に来て雪に対する印象がガラッと変わりました。
 北海道での初めての冬です。11月に入るといつ雪が降るんだ?なんとなく楽しみのような恐ろしいような、なんともいえない気持ちでいまかいまかと雪を待っていました。といいますのも、私の生まれ故郷である佐賀はあまり雪が降りません。降っても積もりません。積もっても北海道の比ではありません。雪が少しでも積もるとニュースになり交通に影響が出るほどです。ですから、僕にとって雪というのは様々な意味で特別なのです。
 小学生のころ佐賀にも珍しく雪が積もったことを今でも鮮明に覚えています。当時は子供ですから嬉しくて仕方がなく、学校の登下校、休み時間に友達と雪合戦をしていました。授業のチャイムが鳴ってもまだ遊び続けていたので先生に怒られたのを思い出します。とにかく、僕にとって雪とは特別なことで非日常だったのです。中学、高校、大学にいくような年齢になっても雪が降るとなると空は曇っていますが気分は晴れやかです。そんな僕だからこそ雪にそこまで嫌な感じはせず、どこか楽しみのような気持ちでした。
 去る11月7日ついに札幌にも初雪が降りました。僕にとっては待望の雪でしたが、周りは「ついにか…」といった反応でした。正直に言って僕が持つ印象と北海道の人が持つ印象に差があることは薄々気づいていました。お参りに行く家々で雪の恐ろしさ、大変さを聞いてはいたものの、恐ろしさより好奇心が勝り、まぁ大丈夫だろうと高を括って勝手に安心している自分がいました。
 あくる朝、やけに冷えるなと思いつつ外に出ると一面真っ白です。その様子を嬉しさのあまり写真を撮っていたところ「がばい」ことに気が付きました。そう、滑るんです。すごく滑るんです。まるで僕のギャグみたいに…そしてさらにもう一つ「がばい」ことがありました。冷静に考えてみると車の運転をしないといけないのです。もちろん雪道運転は初めてです。この時になってようやく事の重大さを理解しました。いつもの景色が変わっているのでどこを走っているのか、どこを走るべきなのか、そもそも走っていいのか、頭は真っ白、景色も真っ白、必死の思いで檀家さんの家にお参りにいきました。
それからというもの毎朝カーテンを開けては一喜一憂する生活が始まりました。ですが気づきもありました。北海道にこなければ雪の印象は変わることはなかったし、雪は綺麗だとしか思わなかったでしょう。しかし今は雪の大変な面も知ることができ、貴重な経験をさせていただていると感じるようになりました。知らず知らずのうちに物事の一面しか見ていなかったようです。北海道の雪によって「がばい」とは言いませんが少し成長できた気がします。それではみなさん良いお年を!

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ふじおかゆうやのガバイはなし vol.01

 みなさん初めまして、この度3月16日より安楽寺の法務員としてお勤めさせていただきます藤岡融也(ふじおかゆうや)と申します。慣れないことばかりで不安いっぱいですがよろしくお願いします。私は九州の佐賀のお寺の三男坊の生まれで、高校まで地元の学校に通っていました。その後、京都の龍谷大学、龍谷大学大学院、中央仏教学院と学ばせていただきました。そして友人の薦めや、様々なご縁があってこうして安楽寺様にお世話になる運びとなりました。
 さて表題にもありますようにこのコラムは「ガバイはなし」とあります。そもそも「ガバイ」とはなんでしょうか?みなさん「佐賀のがばいばあちゃん」という映画を覚えているでしょうか。そうです、その「ガバイ」です。この「ガバイ」は佐賀の方言で「とても」「非常に」という意味です。例えば「ガバイすごか」(とってもすごい)という使い方をします。北海道の方言の「なまら」に近い言葉だと思います。その僕が感じた「ガバイ」を紹介します。
 みなさん、佐賀といったら何を思い浮かべるでしょうか?…今、ちょっと考えましたね。そうです佐賀といえばこれだ!というものはなかなか出てきません。ですからみなさんに佐賀を知ってもらいたいと思いたちまして今回は佐賀のガバイ所を紹介します。
SAGA さが♪ SAGAさが♪ もうわかりますよね。そうです。はなわです。他県の人に佐賀を紹介すると「あ、はなわの歌の所ね」と高確率でかえってきます。ここではっきりと宣言しておきます。はなわの例の歌。あれは話を盛りすぎです。はなわの歌っている通りの佐賀なら未だに佐賀は未開拓の地といえるでしょう。しかし悲しいことに他県の人の大体の佐賀のイメージは、はなわによるものです。勘弁してください。佐賀にはもっとガバイ人がいるのです。それは江頭2:50です!…有名人を紹介するのはここまでにしましょう。    
 冗談はさておき実は佐賀と北海道をつなぐ偉大な人物がいるのです。札幌市役所の一階に銅像があるのをご存知でしょうか。北海道開拓の父と言われている島義勇です。意外に島義勇が佐賀出身だと知っている人は少ないのではないでしょうか。ちなみに札幌の町が碁盤の目になっているのは島義勇の構想なのです。なぜ佐賀出身の島が北海道開拓を担ったかというと、実は当時の佐賀は今では信じられないほど時代の最先端を進んでいました。佐賀は日本唯一の貿易港であった長崎の出島の警護をしていたことから、直に欧米の雰囲気を感じることができたのです。そこから当時の佐賀藩主のであった鍋島直正は日本が欧米に比べていかに遅れているかを悟り、このままでは外国に支配されてしまうと感じました。その危機感から佐賀の地で次々に新しい政策を推し進め、先進的な学校を開いたのです。その学校の生徒には赤十字社の創始者である佐野常民や廃藩置県を行った江藤新平、後の総理大臣である大隈重信、そして島義勇、などなど近代日本の基礎を作った多くの人物を輩出しています。その政策の一環から北海道開拓の任を佐賀藩が請け負い島義勇が選ばれたのです。島義勇による北海道の調査は『入北記』としてまとめられています。みなんさも一読してはいかが?
 佐賀と北海道。端と端ですが意外なつながりがあることを知っていただけたでしょうか? 個人的な話ですが月参りにお伺いしていると「祖父が佐賀出身、家の先祖は佐賀」という話をたまに聞くと嬉しく感じます。僕も島義勇のような開拓精神をもってこれからも精進していきます。よろしくお願いします。