気がつけば今年もあっという間に半年が過ぎ、お盆を迎える時期がやってまいりました。5月6月は北海道でも雨風が強い日が続き、体調など崩された方が多かったのではないでしょうか?私の実家九州も雨による被害が続き、記録的な豪雨に見舞われた方が多くおられたかと思います。被害に遭われた皆様方へ心よりお見舞い申し上げます。
さて、今年は初盆を迎えるのだけれども、どのようにすればいいのだろう?と悩んでおられる方も多いのではないでしょうか?私事ではありますが、私も昨年11月4日に大正4年生まれの祖母を亡くし、初盆を迎える立場にあります。葬儀の際、私の父が門徒の皆様に申したお話をご紹介致します。
(以下、私の父の話)
母が危篤であると言われたのが10月25日のことでした。年齢的なことを考えれば、こういう日が来るのは当然のことと覚悟してはおったんですがやっぱり寂しいものです。ただその当時、私の弟の長男が11月初めに結婚式をひかえておったところに母危篤の知らせが家族親戚に知れ渡ったものですから、参加をひかえさせていただくかもしれない、と次々に連絡が来たそうです。それを聞いて私は母の枕元で「かあちゃん康信の結婚式があるんじゃけど、もう少しだけ頑張ってくれんかなあ」と言い、親戚には10月30日まで母が生きておってくれたなら、どうか皆さん結婚式に参加してあげてくださいとだけ伝えた。すると不思議なことに母の体調が一時的に安定し、結果的に私を含めた親戚の皆で康信の結婚式を祝ってあげることができました。結婚式が終わって母の元に戻るとすぐに、「無事に康信の結婚式をあげることができたよ。かあちゃん、ありがとう」と伝えたその日の晩、深夜に母は息を引き取りました。偶然かもしれません。けど私は、母が康信の結婚式のために頑張っておってくれたんだなあと、いくつになっても親というのは本当にありがたいものだなあと頭が下がる思いで手を合わさせていただきました。と(以上が父のお話です)
浄土真宗で迎えるお盆は、亡くなられた方の歩んで来られた道を思いだし訪ねたとき、私がこれまでどう生きてきたのか?これからどう生きていくのかを真剣に考える日なのだなあと教えられます。 やがて必ずいのちを終わっていかなければならない私が、なぜ生きるのか、生きていかねばならないのか、人生の根本問題を知らされてこそ、お盆の本当の意味があるのではないでしょうか。
合 掌