ふじおかゆうやのガバイはなし vol.02

 皆様こんにちは。佐賀県人の藤岡です。僕が安楽寺様に法務員としてお勤めさせて頂いてから、はや半年がすぎ、2019年も終わろうとしています。少しは成長できたでしょうか?少なくとも寒さに対する耐性は強くなったきがします。さて今回の「がばい」話は雪についてです。みなさん雪に対してどんな印象を受けますか?ちなみに僕は北海道に来て雪に対する印象がガラッと変わりました。
 北海道での初めての冬です。11月に入るといつ雪が降るんだ?なんとなく楽しみのような恐ろしいような、なんともいえない気持ちでいまかいまかと雪を待っていました。といいますのも、私の生まれ故郷である佐賀はあまり雪が降りません。降っても積もりません。積もっても北海道の比ではありません。雪が少しでも積もるとニュースになり交通に影響が出るほどです。ですから、僕にとって雪というのは様々な意味で特別なのです。
 小学生のころ佐賀にも珍しく雪が積もったことを今でも鮮明に覚えています。当時は子供ですから嬉しくて仕方がなく、学校の登下校、休み時間に友達と雪合戦をしていました。授業のチャイムが鳴ってもまだ遊び続けていたので先生に怒られたのを思い出します。とにかく、僕にとって雪とは特別なことで非日常だったのです。中学、高校、大学にいくような年齢になっても雪が降るとなると空は曇っていますが気分は晴れやかです。そんな僕だからこそ雪にそこまで嫌な感じはせず、どこか楽しみのような気持ちでした。
 去る11月7日ついに札幌にも初雪が降りました。僕にとっては待望の雪でしたが、周りは「ついにか…」といった反応でした。正直に言って僕が持つ印象と北海道の人が持つ印象に差があることは薄々気づいていました。お参りに行く家々で雪の恐ろしさ、大変さを聞いてはいたものの、恐ろしさより好奇心が勝り、まぁ大丈夫だろうと高を括って勝手に安心している自分がいました。
 あくる朝、やけに冷えるなと思いつつ外に出ると一面真っ白です。その様子を嬉しさのあまり写真を撮っていたところ「がばい」ことに気が付きました。そう、滑るんです。すごく滑るんです。まるで僕のギャグみたいに…そしてさらにもう一つ「がばい」ことがありました。冷静に考えてみると車の運転をしないといけないのです。もちろん雪道運転は初めてです。この時になってようやく事の重大さを理解しました。いつもの景色が変わっているのでどこを走っているのか、どこを走るべきなのか、そもそも走っていいのか、頭は真っ白、景色も真っ白、必死の思いで檀家さんの家にお参りにいきました。
それからというもの毎朝カーテンを開けては一喜一憂する生活が始まりました。ですが気づきもありました。北海道にこなければ雪の印象は変わることはなかったし、雪は綺麗だとしか思わなかったでしょう。しかし今は雪の大変な面も知ることができ、貴重な経験をさせていただていると感じるようになりました。知らず知らずのうちに物事の一面しか見ていなかったようです。北海道の雪によって「がばい」とは言いませんが少し成長できた気がします。それではみなさん良いお年を!

この記事が掲載されている寺報やすらぎ