「やすらぎ」53号発刊にあたり

安楽寺住職 横湯 誓之

慈光照護の下、門信徒の皆様におかれましてはご清祥にてお過ごしのこと大慶に存じ上げます。又、日頃より当寺護寺発展の為に並々ならぬご尽力をいただいておりますこと、重ねて御礼申し上げます。

寺報「やすらぎ」第53号を門信徒の皆様のお手元へお送りさせていただきました。今年の夏からの出来事を中心に、この度も写真を多く掲載し、この半年を振り返られるようにいたしました。お正月ののんびりとした中でご高覧いただけると幸いです。 

さて、大変長いコロナ禍の生活、あと数ヶ月で3年が経つわけですが、回りでも罹患された方が大変増えましたね。私自身も不覚にも9月に陽性となり、お寺の年間最大の仏事である宗祖親鸞聖人報恩講におまいりできないという前代未聞の事態となってしまいました。総代長にお電話で陽性になったことをお伝えすると、「住職は休んで、あとは私達総代と門信徒の皆さん、そして法務員さんと勤めるから。安心して横になっていてください」と大変有り難いお言葉を戴きました。ただそう言われても気になるもので、お寺と庫裏の境を行ったり来たりしながら、三日間を過ごしました。本当に悔しくて仕方ありません。申し訳ありませんでした。

さて、毎年注目をしております今年の漢字が12月12日に京都の清水寺で発表されました。今年の漢字は「戦」でしたね。選出された概要として、1.ウクライナ侵攻、北朝鮮の相次ぐミサイル発射などにより「戦争」を意識した年であったこと。2.円安・物価高・電力不足や感染症など、生活の中で起きている身近な「戦」いがあったこと。3.サッカーW杯や北京冬季五輪での「熱戦」、野球界での記録への「挑戦」に関心が集ったことがあげられます。本当に激動の1年であったと思います。個人的にはロシアがウクライナへ突然侵攻し、涙を流すこども達の姿が一番衝撃でした。今の時代で、特にヨーロッパでこんな事が起こるのか?と頭の中が混乱しました。まるで中世のヨーロッパの戦いのような様相に驚愕をいたしました。その影響で記録的な円安、原油などの価格も高騰。それに伴った急激な物価高や電力不足など今までの生活が一変しようとしております。ただ明るいニュースもあって心を和ませてくれました。サッカーワールドカップでの日本代表が強豪国を撃破したり、北京五輪では、冬季歴代最多の18個のメダルを獲得するなど、世界的な大会で「熱戦」が繰り広げられ、日本国内ではとくにプロ野球、ヤクルトの村上宗隆選手の日本人最多本塁打や、ロッテの佐々木朗希投手の最年少完全試合、メジャーリーグの大谷翔平選手の2桁勝利2桁本塁打など、記録への「挑戦」もありました。

こうして振り返ってみると、本当に激動の1年であったと思わざるを得ません。喜び悲しみが一杯だったこの一年。暮れに今一度ゆっくりとこの一年間を振り返ってみようと思っております。

光陰矢のごとしの諺のごとく、2022(令和4)年が幕を閉じようとしております。門信徒の皆様もこの一年をゆっくりと振り返りながら、新たな年こそ健やかに過ごし、様々な問題がひとつ一つ解決することを願い、まず自分の出来る事から始めて参りましょう。本年も本当にお世話になりました。来る年もまたどうぞよろしくお願いいたします!

合 掌

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