前住職 横湯徹之さんの御遺志をもとに誕生した安楽寺女声合唱団「シャンティ」も早や6年を迎えようとしております。爾来、多くの仏教讃歌に親しみを持ち、ご門徒の皆さんと共に歌ってまいりました。
仏教では、古くから声明(しょうみょう)や雅楽などの東洋音楽により、その内面を表現されてきておりましたが、明治以降になって西洋文化の取り入れから、仏教音楽でも西洋音楽を取り入れたものが作曲されるようになりました、山田耕筰、清水脩、中田喜直、古関裕而、中山晋平などの作曲家が数多くの仏教讃歌の名曲を残しております。
今回の寺報では、仏教讃歌の中から「みほとけにいだかれて」をご紹介したいと思います。
この曲は、大正の初めに寺院の日曜学校(昔は全国各地の寺院で開かれていた)活動の中から創作されたもので、仏教讃歌の父と云われた野村成仁が作曲しております。
野村成仁は現在の東京芸術大学を卒業後、京都平安中学校(現在の龍谷大学付属平安高校)に勤務し、「報恩講の歌」など、多くの仏教讃歌を作曲し、その伝道・普及に努められた方です。
この曲は、今は亡き故人を偲ぶ追悼の歌で、亡くなられた方がお浄土から【みほとけ】となられて私どもを見守ってくださる、その尊さを歌われております。
先日、お浄土に往かれた「シャンティ」のメンバー「古田邦子」さんのご葬儀で歌わせていただきました。
この楽譜を載せましたので、皆さんにとって亡くなられた大切な方々を偲び、是非一度歌ってみてください。 合 掌
安楽寺女声合唱団「シャンティ」 佐藤卓見