安楽寺法務員 暉峻康紀
気がつけば今年もあっという間に半年が過ぎ、パリオリンピックがもう少しで始まる時期になりました。札幌では5月に入っても尚寒い日が続き、6月初旬もしばらくは夜に暖房をつけていた皆さんもおられたようで、後半からようやく汗をかくような夏を迎えることになりましたが皆さんいかがお過ごしでしょうか?
さてご存じの方もおられと思いますが、5年間一緒に安楽寺で汗を流した藤岡融也くんが本年3月末をもって円満退職されました。現在は山口のお寺にご養子に入られ、結婚式も終え、浪山融也となり新婚ホヤホヤの結婚生活を送っているところです。
藤岡くんが安楽寺に来られた当初、現在お付き合いしている彼女がいるということを聞いたとき、遠距離恋愛になるけど大丈夫なのかな?と心の中で心配していたのですが普段からまめな性格で気遣いもできる藤岡くんだっただけに杞憂に終わり、無事に山口のお寺の跡取りとして入られたことにホッと胸をなでおろしております。
思えば彼がお寺に来るまでの間、私の職場人生で後輩ができたことは無く、それ以前は佐藤さんという大先輩に10年間支えていただいていたので、全く知らない初めての後輩とうまくやっていけるのだろうか?しかもどうやら彼にとって初めての就職が安楽寺だと言っていたこともあったので不安も少なからずありました。ところがいざ彼の働きぶりを見ていると大学院で培ったスキルもあってインテリで頭の回転も速く、パソコンでの事務作業も私の何倍ものスピードでスムーズにこなす姿を見たとき、こりゃあぼやぼやしていられないぞ!と違う意味で不安になりました。結論から言うと大幅に仕事を助けていただき、危ない所を何度もフォローしてもらったことも多々あり、本当に初めての就職だった?どっちが先輩で後輩なの?と不思議に思いながらも充実した5年間を一緒に過ごさせていただきました。
現在、頼りにしていた藤岡くんもいなくなり今まで行っていた仕事を周りの多くの人達に支えていただきながら何とか行っておりますが、あらためて彼の抜けた穴は大きいなあと実感しております。それは彼が私の至らないところを陰から支えてくれていたということに気づくきっかけにもなりました。普段なにげなく一緒に働いている時にはあたりまえのようにスムーズに行えていた仕事も、彼が小さな隙間時間に細かい作業を事前に終えていたからであり、また多くの仕事をかかえた時には仕事をする順番を私がきづかない内にさりげなく誘導してくれていたり、一見のほほんとしている様にみえて私のように無駄口を叩くことも無く、ただ黙々と仕事をしていた彼の後ろ姿があってこその安楽寺だったのだなと今更ながら痛感しております。
毎日あたりまえのように一緒に仕事をしてきた人がいなくなると寂しさを感じるものですが、それ以上に彼がどれだけお寺のために尽くしてくれていたのかを、大袈裟な話ではなく忘れられない学びとして心に残して行こうと思います。またいつの日か、藤岡くんが今度は浪山融也ご住職として安楽寺を訪れる日が来るその時を楽しみに、一日一日を大切に過ごしていきたいものです。 合 掌