「やすらぎ」48号発刊にあたり


 慈光照護の下、門信徒の皆様におかれましては当寺護寺発展の為に並々ならぬご尽力を頂いておりますこと厚く御礼申し上げます。また、日々、新型コロナウイルス感染症拡大予防に講じておられることと存じます。早い収束を願うばかりであります。
 さて、今年も寺報「やすらぎ」第48号を門信徒の皆様のお手元へお送りさせて頂きました。昨年の年末から夏までの出来事をおまとめさせていただいております。振り返りながらご覧下さい。
 今年は、当安楽寺がこの厚別の地で開教され135年という年であります。初代住職横湯僧潮(よこゆ そうちょう)法師は新潟県高田市光勝寺第13代住職、横湯真海師の次男として文久2年(1862年)3月にご誕生され、明治18年(1885年)にこの厚別の勝地に開拓者と共に開教の鍬を入れられました。大変なご苦労の中で、まさに心血をそそぎ新寺建立されたのであります。
 その記念事業として、大変手狭でご迷惑をお掛けしていた1階玄関の拡張工事、開教120年の際に大修復を行っていただいた本堂、1階ホールの内装も15年が経過し、劣化している箇所が多数あることからその修復工事を行い、併せて納骨堂のタイルカーペット交換を3月の春季彼岸の法要までに行っていただきました。美しく整ったところにご門徒の皆様をお迎えし、雪解けがすすむ中に、春のお彼岸法要を勤められると思っていた矢先、新型コロナウイルス感染症が世界中に猛威を振るい、いまだ収束のめどが立っていない状況であります。
 少し振り返りますと、北海道知事より道内全ての小中学校に対し休校要請が行われ、北海道教育委員会が会合を行い、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、道内の公立と私立の全てを合わせた1600校余りを1週間休校にするよう市町村の教育委員会と私立学校に通知を出しました。これをうけ、安楽寺と併設する厚別幼稚園、姉妹園の第2あつべつ幼稚園も2月28日から3月8日までの1週間、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、臨時休園の措置をとることといたしました。その後、北海道そして札幌市より「緊急共同宣言」が発表されました。
 北海道は早々に独自の「緊急事態宣言」を発表したこともあり、一時は感染者数が減少傾向となりましたが、再び感染者数が二桁を越える日が続き、札幌市内での新規感染者が増加傾向にあることから、「第2波」と呼ばれる状態に移行して参りました。4月16日に政府より「緊急事態宣言」が発出され、これをうけ、再び、4月14日から5月6日までの期間、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、二度目の臨時休園措置をとることといたしました。それからまもなく、5月4日から31日まで休園が延長となり、全国で自粛生活がはじまったのでした。
 お寺も春季彼岸永代読経会や宗祖親鸞聖人降誕会をはじめ、毎月の諸行事も、参拝者無しの院内勤めという形で、6月いっぱいまで過ごして参りました。
 先般、6月28日に1月の総会以来開催できなかった総代会を開き、今現在、北海道、札幌の皆様のご努力により、感染者数が0という日も増加しており、7月5日の常例法座から新しい生活様式に乗っ取り、最善の拡大予防策を講じて、時間短縮、規模縮小にて諸行事再開する運びとなりました。
 お盆の参詣につきましても、例年通り7月下旬から8月11日までの間に門信徒皆様のお宅へ参詣させていただきます。12日の役員総会は中止し、里塚の安楽寺六角堂へ午前中にお詣りさせていただきます。12日から16日までは、納骨堂にお詣りされる皆様と共に先人をお偲びさせていただき各々読経出来るように僧侶も待機しております。今年は密を避けるために、納骨堂、本堂、安楽精舎の三箇所でお勤めします。(8日土曜日から16日日曜日までは自由参拝といたします)16日の午後1時よりお盆の締めくくりとして命日講に併せて「盂蘭盆会(うらぼんえ)」のお勤めを致します。大切な方を亡くされてから初めてのお盆をお迎えされるご遺族の皆様には、大切な御法縁となることと思います。是非とも御参詣下さい。尚、今年は新型コロナウイルス感染症拡大予防のために、おとき(昼食)のご接待はありません。
 最後に、右のチラシは、新型コロナウイルス感染症が猛威を振るい、いてもたってもいられなかった私の朋友である福岡教区鞍手組円覺寺御住職 松野淳信師が中心となって、鞍手組の実践運動委員会で作成されたものであります。
姿が見えない未知のウイルスの存在に不安を抱き、疑心暗鬼でいた私の心を目覚めさせてくれた言葉でした。
 北海道はなぜ他の場所と比べて感染者が多いのだろう?なぜ減らないんだろう?誰かにうつされるのではないか?という自己中心的な考え方で一杯だった私の心に大切なことを気づかせてくださった言葉でした。
 「いつでも阿弥陀さまがご一緒です」という言葉が、真実(本当のこと)に近づけてくれました。感染者数を私が気にしてもどうすることも出来ません。うつされることばかり考えて、自分が人にうつすかもしれないことに気づいていない。そんな私の姿を気づかせてくれたのが、このチラシでした。
 終息まではまだ時間が必要だと思いますが、浄土真宗の門徒として、少しでも自己中心的な考え方をあらため、新しい生活様式を中心とした日暮らしをこころがけて日常が戻ってくることを心から願うことであります。  合 掌

この記事が掲載されている寺報やすらぎ