「前住職の最後のお言葉」 安楽寺「寺報やすらぎ」50号発行に寄せて

札幌組組長(相焼香眞願寺住職)
石堂了正

 安楽寺様寺報やすらぎの記念すべき50号の発行、心よりお祝い申し上げます。蓮如上人500回忌法要で御門主がお示しされた文章伝道の大切さを受けとられ、平成11年3月に創刊されて以来、ご住職を中心として毎号毎号、門信徒の皆様にお寺の行事や様子が少しでも伝わるようにと心がけて足かけ22年、編集にご尽力されてこられました。見やすく分かりやすい冊子として、門信徒の皆様には、いつも好評であることは言うまでもありません。札幌組内でも文章伝道に尽力されている寺院は自坊(眞願寺)をはじめ皆さんご苦労されていますが、他に類を見ない本当に素晴らしい寺報です。
 特に報恩講や降誕会そして春秋の永代経や彼岸会など、厳粛なる法要行事の様子は写真をふんだんに掲載し法要儀式の大切さを伝えられています。相焼香のご縁をいただく私も、何度となく導師をお勤めさせていただく姿を掲載いただき、嬉しくもありますが少々恥ずかしさもある中で拝見しています。毎号、ご住職をはじめ和やかなお寺の雰囲気や、坊守さん寺族の皆さん、法務員さん、そして総代役員さんらがいつも気兼ねなく寄る和やかな御院内の雰囲気が伝わり、やすらかなお寺の姿をお伝えいただいていますことは、本当に素晴らしいことと思います。振り返れば、平成13(2021)年8月1日に発行された第7・8合併号の巻頭のご挨拶で前住職横湯徹之師は、最後にこのようにお示しくださいました。『このお盆という仏教行事は、先達の追慕とともに自分自身が仏様のお法り(おみのり 教え)を聞かせていただくという意味が込められています。このご縁は亡き人を偲び、思い出を語り、亡き人がご自分の身をもって、最後にお示しくださった、いのちの尊さ、はかなさを考えなければならない大切なご縁と、お一人お一人頂戴していただきたいと思うことです。(中略)』前住職様はこの発行日の一週間前7月24日に安楽の浄土にご往生いたされたのでした。この文章をお書きになられたのは、御往生の数日前と聞いておりましたが、発行されてから何遍ともなく読まさせていただき、諸行無常の理をかみしめ、み法をいただく大切なご縁をいただいたと感謝しつつお念仏申したことでした。
 コロナ禍の厳しい今日、多くの皆様が苦しみと我慢の中で生活をされています。もちろんどこのお寺も運営が厳しい中ではあります。しかしご住職はじめ役員の皆様と院内の皆様が、すべての門信徒の皆様に寄り添い、今まで以上に拠り所となり得る安楽寺様を目指し、皆さんに共感され時代に即応した寺報「やすらぎ」の刊行を継続され、次世代に受け継がれて行かれますことを、心よりご期待申し上げる次第です。この度は誠におめでとうございました。 合掌 

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